タグ: 映画

ミッドサマー観ました

日本公開が決まる前から観たいな~と思ってて、決まってから前売り券も買って楽しみにしてたんですがなかなかタイミングが合わず…今日やっと観れました。いや~すごかったです…2時間半ある映画だったんですね。勘弁して~と思いながらも全然長くは感じないくらい没入感がすごかったです。というかいまだに現実に帰ってきてない。観たのが夜でよかった…晴れた昼だったらたぶんもっとひどいことになってた…

以下、ただの私の所感吐き出しです。普通にネタバレすると思うので、ネタバレ見たくない方はご注意下さい。

監督がインタビューで「ホラー映画として作ってはいない」「恋愛映画だ」と仰ってましたが、観終わってなるほどたしかに…と思いました。『大学生たちが人里離れたコミューンで理解しがたい文化に出会う恐怖の物語』というよりは、『ダニー(主人公の女の子)の救済・再生の物語』という風に感じられたので…まああの後ダニーがどんな道を歩んだかにもよるとは思いますが…やっぱペレと結婚してホルガに暮らして72歳を迎えてアッテストゥパンするのかな。なんかそんな気がしてます。それがいい事なのかは私が決めていいことじゃないけど…ダニーが幸せならもういい気がするけど…。

と思うのも他の犠牲者たちが割と利己的というか、見ててフラストレーションが溜まるタイプだったからなのかも。ホルガの風習は不気味なものがたくさんあったしそこが作品の恐怖ポイントだった訳だけど、彼らは彼らのルールに則って生きてるだけで、こちら側にはこちら側のルールもあるとはいえ、いや~よその文化を侮辱するような事してた訳だしまあ運が悪かったんだなあ…としか思えなかったんですよね。なんだろう。やっぱりダニー視点の物語作りがされてるからなのかな(パンフレットの監督インタビューより)すごく計算されて作られてるなあ…

とはいえ生理的にウエッとなる事(恋のおまじないとか)や、淡々としてるけど容赦ないゴア描写などがわりと強烈なので、二度と観たくないとかトラウマだという人の気持ちもちょっとわかるし私も何回かウッてなりました。トリップ表現でうねうねするお花こわかった…EDのスタッフロールに動くお花出てきたのにもウワ~ってなってました。

でもゴアもセックスシーンもむやみやたらにすごいもの見せたろ!ていうものじゃなくて必要な映像表現と舞台装置だったなあと思うのでげんなりする事はなかったです。パンフレットや公式サイトの完全解析読むと一つ一つにきちんとした由来や意味があるようだし。とても面白く読みました。

よく『未知の解放感』『浄化作用』とも言われてますがなんかそれもわかるんですよね…後味がいいとは言い切れないけど強烈なカタルシスもあるんですよ。予告編でも出てきてた、ダニーが村の女性たちと一緒に声を張り上げて泣いてるシーン、本編を知らなかったら何となく怖い感じしますけど、あれも浄化のシーンなので…いやその在り方が正しいのかどうかはわからないのですけど。ダニーは孤独で共感を求めていて、たまたまそれを与えてくれたのがホルガな訳だけど、個を曖昧にすることで得られる安息とは…

うーん色んな事をめちゃくちゃ考えてしまいます。観るまで全体像が全然つかめなかったのがよくわかった。すごくいろんな要素が複雑なレイヤーで存在してて語るのが難しい。

とりあえず、ある程度のゴアや性描写がOKならぜひ観ておいて損はない作品だと思います。感情の何かを強烈に揺さぶられる映画が好きなので私は本当に面白かったです。ディレクターズカット版も観に行けたらいいな…

あとパンフもめちゃくちゃ良かった。増版直後で運よく入手できたんですが、小口のうねうね不揃い仕様とか表紙裏の冒頭の絵画で本文がくるまれてる恰好になってるのとか。日本版ポスターが収録されてたのもめっちゃ嬉しかったです。特色金…!!

勢いですごく長い感想を書いてしまった気がする。ここまで強烈なインパクトを受ける作品もほんと貴重だなあ…映画の醍醐味ですよね。感謝です。

どうせなら2回目は誰かと観に行きたい気分なんですけど絶対誰も行ってくれなさそうな気がする…。

送信中です

×